年末エロチシズム
10人のオトコがいれば10通りの誘い方がある。
宣戦布告するかのように物々しく誘うオトコ、コップの水を飲むかのようにごく普通に誘うオトコ、白旗を振る敗北兵のように恐る恐る誘うオトコ…。
その人は、どちらかというと、今まで読んでいた本をパタンと閉じて「さ、行こうか」って感じの誘い方。わたしは返事も何もしなかったけれど、答えは決まっていた。
タクシーで海辺のホテルに着くと、その人は黙って部屋を選び、エレベーターのボタンを押して通路を進んだ。
扉の奥に待っていたのは、ごく普通のベッド。靴を脱ぐと、わたしはすぐに横になった。気分は平穏で、特別な高揚感もない。
横たわったわたしにキスをすると、ストッキングとショーツだけを器用に脱がせ、自分は服を着けたままその場所に顔を埋めた。
わたしはその人の行為に抵抗することもなく、身を委ねる。
その人は「素敵だよ」と囁き、唇と舌でわたしを熱くした。わたしはスカートを着けたまま大きく脚を広げ、その人の髪を撫でた。
撫でてあげると、その人は一層熱くわたしを求めた。何かが溢れてきて、その人の口の周りを湿らせた。
20分くらい行為は続いたが、その人は最後まで自分の衣服を脱ぐこともなかった。わたしのショーツとストッキングだけが、丸まって床に落ちていた。
「今日はこれでおしまい」
その人はそう言って、フロントに電話をかけ、タクシーを呼んだ。
タクシーが来るまでの間、衣服を整えたわたしにキスをして待った。
・・・・・
読みかけの本を再び開くかのように、元の場面に戻る二人。
けれど、わたしの下半身には熱い余韻が残った。

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