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ジミィング(地味なスティング)

図書館の回想録完結編。

学部の研究室にはいろんな国籍の院生がいました。韓国人、中国人、アメリカ人、ドイツ人、オーストラリア人、スペイン人。世の中にはこんなに日本史の研究をしているひとがいるんだなあと、驚いたものでした。少なくとも高校時代(地方の公立高校)に留学生なんて見たことも聞いたこともなく、都会の学校の話(あるいはドラマの中の話)だと思っていたのです。イナカモノだから仕方ありません。

ついでに言うと、東京タワーと新宿の高層ビルと表参道と日比谷公園の噴水とレインボーブリッジはタクシーワンメーターのエリアに密集しているものとばかり思っていました。イナカモノだから仕方ありません。

夜のバイトで図書館のカウンターに座っていると、よく見かける一人の外国人院生がいました。

スティングを小柄にして地味にまとめたみたいな風貌。プリンストン大学からフルブライト奨学金で日本にきていた彼は、大宰府の研究をしていました。足元にも及ばないような優秀な人でしたが、そんなこと理解できない丸の内です。イナカモノだから仕方ありません。

便利な言葉です、イナカモノ。

同じ古代史の演習を受講していましたが、地味なスティングの優秀さなどあまり気がつかず、カッコエエ人だなあと眺めていました。地味なスティングのレジュメが横書きだった(今はどーか知らないけど、国史は縦書き)こと以外、彼の発表内容も覚えていません。ちうか、じぶんが発表した内容もじぇんじぇん覚えていないぜベイベー。

そんな地味なスティング、略してジミィングはべるがバイトしている日に必ず図書館に現れました。自習するだけの時もあれば、何かを借りて帰る時もありました。アタリマエのことですが、ジミィングは奨学金をもらって研究のために来日、もとい留学したのです。毎日遅くまで図書館で自習するなど当然です。

ところがここでも例のイナカモノ思考回路が発動します。

「ジミィングはひょっとしてワタシに好意を持っているのでは?だってだって、必ず笑顔でハ〜イ!って声かけてくるもん」

今なら0.1秒で気が付く勘違いですが、当時の丸の内は半年以上おめでたい勘違いをしていました。ジミィングが「ハ〜イ!」と声をかけるたびに、勘違いの目盛りが少しずつ右に回っていました。「ハ〜イ!」ってただのアイサツだろ。

にしても、図書館の「ハ〜イ!」は映画のワンシーンみたいでした。ムサイオトコとダサイオンナの集合体であるわが大学にあって、そこだけバック・トゥ・ザ・フューチャーの世界でした。ヘンなスイッチ入っていました。イナカモノだから仕方ありません。

あるとき、それはあっけなく終焉を告げました。

研究室の飲み会で運良く(つか強引に)ジミィングの隣に座って、いろんな話をしました。スキなミュージシャン(なんと長渕剛)とヒイキの野球チーム(忘れた)と休日の過ごし方など。ジミィングいわく

「休日はオクサンと買い物したり散歩したり…」

オ、オクサン?

イナカモノの丸の内は院生=独身だとばかり思っていたのです。今思えば既婚院生は珍しくないのに、たまたま当時の研究室にはいなかったため想像も及びませんでした。それより何より、ジミィングはじぶんに気があると勘違いしていましたし。

その後はいつものよーに、焼酎のお湯割りをガブノミしましたとさ。ちゃんちゃん。

・・・・・

プロフィールちょいとだけ改訂しますた。コチラ

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コメント

ベルさま
私はイケブクロにて通っていましたが、愚弟がおそらくベルさまと同じガッコウと推定され、やはりナカナカの図書館であったという話を聞いたことがあります。
いまだ果たせてはおりませんが、西新の「しばらく」、別府のとんそく、東区の図書館、ちかじか制覇してREPORTを送りたいと思います。あと箱崎宮(漢字変換されず!)よこの焼き鳥花山も。
YOKOHAMAもROPPNGIも大好きですが、博多も大好きです。

投稿: セントポール | 2009年6月16日 (火) 21時35分

セントポール氏

ご舎弟殿は同じ大学でござったか。
呉服町の
「みやけうどん」
は世界遺産だと思うので
行きたいとこリストに加えてください。

投稿: 丸の内べる | 2009年6月18日 (木) 00時03分

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