オトナの階段のぼる
昼間、駅から自宅までの道(歩道なし)を歩いていたところ、自転車に接触した。前方から直進してきたスポーツタイプの自転車のどこかに左手の親指付け根あたりがヒットしたのだ。ゴツンと衝撃が走り、思わずその場に立ち止まった。
ここは「イッテー!」と叫ぶところだが、あまりの痛さに声すら出ない。
自転車は数メートル先で停止し、「大丈夫?」と慌てて引き返してきた。乗っていたのは推定5,60代の男性。Tシャツに短パンにビーサンという格好なので、近所の人だろう。すれ違いざまに接触したのは自転車本体ではなく、手に持っていた硬そうなモノのようである。
どこがどう痛いと説明しなくてはいけないのだが、ホントに痛くて声も出ない。全体にジーンとしびれ感があり、人さし指の先がピリピリする。幸い出血などの外傷はなく、骨折には至っていないようだ。
男性は、「ちょっと見せてごらん」と手をとって問題の箇所を調べ、上記の状況を把握したようだ。もちろん、何度も何度も「ごめんね」と謝る。悪い人ではなさそうだ。
少し落ち着いてきたところで、「ウチはどこ?病院行く?」と言われた。なぜかチビッコに話しかけてるみたいな口調だ。じぶんの中の幼児性を見抜かれたのか。ばーぶー!
5分ほどそんなやり取りをしていたが、徐々に最初の強烈な痛みはひいてきた。ひと安心。
「たぶんもう大丈夫、ウチに帰って冷やす」
「じゃあ、シップを持ってくるからここで待ってて」
数分後、男性は自宅からシップをたくさん持ってきた。そして、その場で一枚貼ってくれた。ひんやりして、キモチよかった。
まだ少し痛いけど腫れてはいない。シップのおかげで快方に向かっているようだ。(たぶん)
災難と言えば、昨日の夕方の電車もそうであった。
第一の災難は、べるの座っていたロングシートの左側に通常の二倍はあろうかと思われる巨漢クンが平然と腰掛けてきたことだ。うわあー。必然的に文字どおり肩身の狭い思いを余儀なくされる。
しかも、その巨漢クンはポケットからリンゴ印の長方形のパネルを取り出し、画面をあれこれタッチして動画を見たり、しまいには通話を始めたりする有様だ。
気が付いたら、口が勝手に動いて、「うるさーい」と小声で(でもしっかり聞こえるように)言ってしまってた。にもかかわらず、巨漢クンは無視しやがったぜ。こんにゃろ。
悔しいから、呪いをかけておいた。
第二の災難は右側の居眠りオトコである。べるの膝枕を所望しているのか、激しい勢いで寄りかかってくる。カバンで何気なく押したり、咳払いしたり、いくつか試みるも形勢は依然として変わらない。膝枕は時間の問題だ。なんでこんな目に。
この居眠りオトコには、こんな風に囁いた。
「寄りかかるのを加減してください」
居眠りオトコはあわてて目を覚まし、決まり悪そうにしていた。わざとじゃないのは分かっているから、ちょっと申し訳なかった。
・・・・・
こんな風に、いくつもの小さな災難を乗り越えて人はオトナの階段をのぼっていくのである。
べるはまだシンデレラ。
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コメント
金曜夜の電車で無粋なデブと居眠り男に挟まれたクリ野郎です。
べる様に今一度問う。
お前はオレか!?
クリリンさんも大人の階段上昇中のおぼこです♪(しーん)
投稿: クリリン | 2009年6月21日 (日) 01時10分
その親切な男性はおそらく
元大学サイクリング部の私だと思われます。
すれ違いざまに偶然を装って乳に接触する予定が
誤って手に当たったものと推測します。
その節は申し訳ありませんでした。
今度はちゃんと乳にぶつかりますので。
投稿: 江草乗 | 2009年6月21日 (日) 10時52分
エグザイルセンセイ
廃部にならぬようご用心ください。
投稿: 丸の内べる | 2009年6月23日 (火) 22時03分
クリリン氏
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投稿: 丸の内べる | 2009年6月23日 (火) 22時03分