「もうヤメておこう」と思ったのですが、どーしても書かずにはいられない「天地人」です。
第33回のタイトルは「五人の兼続」であります。っておい、なんじゃそりゃ。
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今日も今日とて、カネツグは大忙し。上杉家の何から何までカネツグが仕切っているから、主のカゲカツもすっかりおんぶにだっこ状態です。「わしにいちいち許可を得ずとも、カネツグがやりたいようにやればいいと思うよ」「カネツグが五人いたらいいのになー」などと丸投げする有様。それぐらいスゴイんです、カネツグは。
おまけにヒゲまで生えています。
そこへ関白秀次が謀反の容疑により切腹を命じられたという知らせが届くのですが、「わー、コレでまた上洛してオセンやミツナリに会える」とカネツグはナニゲにうれしそうなのでした。京に残してきた弟の与七なんてすっかり忘れています。リアル小泉チルドレンの与七は、リアル弟の応援で今ごろヨコスカに戻っているかも知れません。
ところで、この大河では、誰一人として「まつりごと」をやっていません。
カネツグやカゲカツは見てのとーり越後と京を行ったり来たりしているだけですし、他の大名も広間に座って顔がアップになるだけです。ヒデヨシは一日中ガキンコと遊んでいます。北の独眼竜さんもヒマをもてあまして秀次と鷹狩に行ったところ、ヘンなウワサが立ってしまいました。尿検査したほうがいいのかも知れません。
唯一マトモに働いているのが、ミツナリだけなのです。ミツナリはミツナリで、そんなじぶんにオトコの美学を感じ、「じぶんが憎まれ役になってもトヨトミ政権を守ってみせる」と自己陶酔しちゃってます。カネツグとオソロイでヒゲも生えたし、周囲からは毛嫌いされるし、カネツグの面会には応じないし、完璧なツンデレであることは間違いありません。
秀次の一族が三条河原で処刑される日、ハツネが再び現れました。コイツ、いままでナニしてたんだっけか?相変わらずの棒読みで、「ミツナリのことを分かってほしい」的なことをカネツグに訴えます。
オマエ、人の心配してる場合か?そろそろ次回作のことでも考えたほーがいいんじゃないか?ちうかそもそも、このドラマにおけるハツネの存在ってなんか意味あんの?…などと暴言を吐くのはヤメましょう。空気読めないヤツと思われるのがオチです。ハツネはこのドラマにおける一種の「妖精さん」だと思えばヨイのです。「妖精さん」はココロのキレイな人(すなわちカネツグ)のもとに出現し、ゲームのヒントを与えてくれるのです。その証拠に、カネツグはハツネの一言によってミツナリの真意に気がつくのでありました。
さーて、ここからが超展開です。
深夜、ミツナリを訪問するカネツグ。「深夜」「二人っきり」「隅の部屋」 もうこれだけでレキジョやフジョシの脳内に怪しい分泌物が充満してきます。さらに連中のスイーツ脳を刺激するかのよーに、夜を徹しての「政策議論」を行い「新体制構想」を生み出したのであります。「新案」が出来上がるころには夜も明け、外にはスズメがチュンチュン。これぞ「朝チュン」の王道なり。
民主党のみなさんも見習うべきですな。ボーイズラブ風政権交代構想を練るべきです。
最後は、この不朽の名作「六人いるのになぜか五大老案」をどーやってヒデヨシに納得させるか。これはもう、芝居を打つしかありません。
カネツグは、上杉の過去のお家騒動のことを持ち出してヒデヨシを不安にさせよーとします。ちょっと待て、カネツグ。あのお家騒動ってさー、おマンとやらが遺言ねつ造したのが発端じゃなかったけか?そのねつ造グループにオマエも加担してたんだよな?忘れちゃったの?ちうか、そんな内輪の大事な話をペラペラ喋っていいのかヨ!
一方、ミツナリはウソ泣きです。主ヒデヨシとそのガキのことを思うと、なぜか涙が止まらないなどとサル芝居をかまします。
こーなっては、愛も義もマニフェストも、ましてや時代考証もありません。そこにあるのは、カネツグとミツナリの「二人だけの世界」です。
さいごにミツナリが、「あの涙はオマエに捧げた涙だった」とぬかします。グーで殴りたくなるのを必死でこらえましょう。ここで熱くなっては、NHK の思うツボです。また来週も懲りずに見ちゃう羽目になりますよ。
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にしても、「五大老五奉行はカネツグの発案」「五大老はサイショから六人いた」のみならず、「この時代の日本には、ミツナリとカネツグしか国政レベルの人間がいない」さらに「そこまでミツナリがトヨトミ家のためにがんばる理由は不明」「カネツグが友情などという超個人的理由で国政に加担している」といった枠組みとしてのつっこみドコロが大量発生しています。罪深い脚本です。
でも、そーゆーのって、レキジョやフジョシにとってはどーでもいいことなんでしょうね。HNK は今週末に「天地人がやって来た!~レキジョ大集合~」というおぞましい特集を放送するみたいです。
「五人の兼続」ってタイトルに至っては、なんじゃらほい?珍タイトルベスト5に名を連ねること間違いなしであります。
参照 「天地人」の珍タイトルベスト5 (NHK調べ)
1 五人の兼続
2 愛の花戦(はないくさ)
3 年上の女(ひと)
4 真田幸村参上
5 愛の兜(かぶと)
わー、ステキ!
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